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おたからびと
地域にはたくさんの素晴らしい方々が様々な活動をされています。
そんな “ひと”にスポットライトをあててご紹介します。
澤木万理子さん
Vol.2

六嶋由美子さん
2008年、旬のひと。ひとを惹きつける六嶋ワールドの魅力。
 澤木さんはどうして鵜匠になろうと思ったのですか?
何度も聞かれているだろうと思いつつもやはり聞いてしまう質問に、澤木さんはこのように答えてくださいました。
「鳥が好きだったんです。鵜匠さんが綱一本で鵜を操る姿に感動して。」
 鵜飼は鵜という鳥を使って魚を捕る日本の伝統的な漁法です。お仕事としては、漁を生業としているということではなく、6月から9月の観光鵜飼のシーズンに船頭さん鵜匠さんが集まって鵜飼を行う形になっています。皆さん他のお仕事をされていて、澤木さんも普段は宇治市観光協会にお勤めされています。

掲載日 2009.1.9


六嶋由美子さん観光鵜飼なので、お客様に喜んでいただけることを大事に考えています。

 藍色の装束に藁の腰みの。頭につけている独特の形の帽子は風折れ烏帽子といって麻の布を頭に巻きつけただけのものだそうです。浦島太郎のイメージそのままの、伝統的な漁のスタイルです。烏帽子はかがり火の火の粉をよけるため、腰みのは合羽の役割をしています。この鵜匠さんのスタイルがなんとも趣があってよいのです。

 以前はなんとなく船を出して、鵜飼を見せて終わりだったそうですが、船を出す前に説明をしたり、お客様に鵜飼を間近で見ていただけるように鵜飼の船とお客様の船を近づけたり、鵜が魚を捕る瞬間は見逃す方が多いので魚を吐き出させるときにゆっくりと見やすいように気をつけたりと、澤木さんはいろいろと自分に出来ることを考えて工夫を重ねてきました。実際にこんなに近くで鵜飼が見られるところは他にはないようで、宇治川の鵜飼の特色にもなっています。

 以前と比べて鮎などの大きな魚が捕れる量は少なくなり、小魚が多くなりました。外来魚の姿も見られるようになりました。日々ちがう川の流れや風。自然を身近に感じ、環境の変化も肌で感じられるお仕事です。


だんだんに受け入れてもらって・・・。

 いろいろなメディアから注目され、テレビに出ることもあります。今年は、先駆的な活動で功績が著しい女性に贈られる「京都府あけぼの賞」を受賞されました。ご自身が注目されることについて、鵜飼の宣伝になる良い機会と捉えていらっしゃいます。
 もちろん鵜飼は華やかな部分だけではありません。鵜飼を見せるのは6月から9月の夏の間だけですが、それ以外の期間も16羽いる鵜の世話や鳥小屋の掃除などの作業は毎日休みなく行わなければいけません。そして、鵜匠さんだけでなく船を操る船頭さんとも気持ちをひとつにして行うチームワークが大切なお仕事なのです。何でも前例のないことなのでご苦労がおありだったと思いますが、ご自身の役割を冷静に捉えて、徐々に他の鵜匠さん、船頭さんと、そして鵜とも信頼関係を築いてこられたようです。「だんだんに受け入れてもらって・・・。」という澤木さんの言葉にその様子が垣間見られるように思いました。


「実際にやってみて初めてわかることもいろいろありました。」  ―鵜飼の技のすばらしさ。それをこれからも伝えていきたい。

 取材風景普通は船を操れるようになってから鵜飼を教えてもらうという順番なのだそうです。宇治の女性鵜匠のお2人は例外的に鵜飼からこのお仕事に入られました。鵜飼の船は手漕ぎのため、操縦に技術を要します。鵜匠は船を操れて一人前。今後はその技術も身につけていきたいと話していらっしゃいました。

 鵜飼というと珍しくて歴史も伝統もあって、とても大変そうなお仕事だと思うのですが、澤木さんのお話を伺っていると「鳥が好きだから」という入り口もあるのだと思えます。確かに、鵜にとっても鳥が好きな人に使ってもらう方がうれしいに違いないと思うのです。
宇治川の鵜飼は世襲制ではありませんが、先代の仕事を引き継いで鵜匠や船頭になられた方がほとんどです。地元の人間でもなく、しかも女性でというのは前例の少ないことでしたが(澤木さんは全国で3人目の女性の鵜匠です。)、澤木さんのまっすぐな気持ちが道をひらいたのだと感じました。


取材と記事 : 高橋邦子 (NPO法人 まちづくりねっと・うじ サポーター)
撮影 : 谷山 光 
(NPO法人 まちづくりねっと・うじ サポーター)

 

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